カビ臭さの出どころになる3つの部品

当店は、臭いの主な原因を、内部の熱交換器、送風ファン、ドレンパンに増えたカビと考えています。それぞれ、カビが育つ理由が少しずつ違います。
熱交換器
部屋の空気を冷やす、薄いアルミの板が並んだ部品です。冷房中は空気中の水分がここで結露し、運転を止めたあとも内部が湿ったままになります。ダイキンによると、ホコリはカビの栄養になるため、内部にたまるとカビの発生を助長する可能性があります。水分とホコリの両方がそろう場所です。
送風ファン
熱交換器で冷やした空気を部屋へ送り出す、筒形の羽根車です。吹出口をのぞくと、奥に見える部品です。当店では、吹出口に黒い点が見える場合は、前回の洗浄からの年数にかかわらず清掃のサインと考えています。
ドレンパン
熱交換器から垂れる結露の水を受け、ホースへ流す皿です。当店が臭いの主な原因と考える3つの部品の一つで、水漏れとの関係は別のページで説明しています。
詳しくはエアコンの水漏れと内部の汚れをご覧ください。
臭いが出るタイミングと考えられる原因
いつ臭うかで、疑う場所が変わります。ご相談のときにタイミングを伺うのはそのためです。
冷房の入れ始めの臭い
冷房を使ったあとのエアコンは、結露した水分が内部にたまり、カビが育ちやすい状態になります。パナソニックはこの状態を、湿気がたっぷりあり、カビの成長に適した環境だと説明しています。同じ解説は、夏のエアコンの稼働時間が長いほど、内部に湿気がたまり、カビのエサになるホコリも多く付くとしています。
暖房の時期の臭い
パナソニックの解説では、夏に使ったエアコンを掃除しないまま置いておくと、使わない秋の間に内部でカビが増え、冬の暖房運転で吹き出すことがあるとされています。冷房の時期だけの問題ではありません。
運転中ずっと続く生活臭
パナソニックは、家具やじゅうたん、壁にしみ込んだ臭いの成分が熱交換器に付き、運転時に臭いとして出ることがあると説明しています。化粧品、芳香剤、たばこの煙、食べ物、汗、衣類、ペットの臭いも発生源に挙げています。カビとは別に、部屋の臭いがエアコンにたまって出てくる場合もあるということです。同社は、取扱説明書にある対処をしても臭いが気になるときは、専門業者による内部の洗浄が必要だとしています。
大阪の湿度・気温とカビの増えやすさ
カビが最も増えやすい条件として、パナソニックの解説は「気温20〜30℃、湿度70%以上」を挙げています。寝屋川市には気象庁の観測所がありません。そこで近くの大阪の平年値(1991〜2020年)を見ると、6月の平均湿度は68%、7月は70%、8月は66%です。月の平均で70%に届くのは7月だけです。ただし、冷房を使ったあとのエアコン内部には結露の水がたまるため、部屋の平均湿度だけで内部の状態は判断できません。
暑さの面では、大阪の真夏日(最高気温30℃以上)は年に74.9日、猛暑日(35℃以上)は年に14.5日です。8月の日最高気温の平年値は33.7℃あります。冷房を使う日が多い土地なので、内部が結露で湿る日も多くなります。
市販スプレーで内部を洗う危険

臭いが気になると、市販の洗浄スプレーを内部に吹き付けたくなります。製品評価技術基盤機構(NITE)は、消費者が自分でエアコン内部を洗うことをすすめておらず、正しい知識を持つ業者に頼むよう呼びかけています。
NITEに通知されたエアコンの事故は、2015〜2019年度の5年間で263件です。このうち244件が火災で、誤った内部洗浄による火災は20件ありました。配線の端子に洗浄液が付くと、端子でトラッキング現象が起き、異常に熱を持って出火につながるおそれがあります。消毒用アルコールのような燃えやすい液や、次亜塩素酸ナトリウムのような金属を傷める液で内部を拭くのも、発火や破損のおそれがあるため避けてください。
パナソニックも、除菌剤やお掃除スプレーを使った誤ったクリーニングは、内部に残った洗浄剤で故障の原因になる恐れがあると注意しています。スプレーで臭いが強くなったと感じたら、それ以上吹き付けずにご相談ください。
ご自分でできるカビを増やさない使い方
すでに生えたカビは洗って落とすしかありませんが、増えにくくする使い方はあります。パナソニックが勧めるのは、冷房でたまった結露の水分を乾かす方法です。
内部クリーン機能
付いている機種なら使います送風運転
内部クリーン機能がない機種は、冷房のあとに3〜4時間の送風運転で内部を乾かします拭き掃除
風の通り道やフラップなど、目に見える部分だけを拭きます
なお、パナソニックの注記によると、同社の内部クリーン運転は、すでに生えたカビを除去するためのものではありません。乾かす運転は、洗ったあとのきれいな状態を保つためのものと考えてください。
洗浄で落とせる臭いと落としきれない臭い
カビが原因の臭いは、熱交換器と送風ファン、ドレンパンを洗うことで改善が期待できます。送風ファンに黒い汚れが広がっている場合は、ファンとドレンパンを本体から外して洗う完全分解洗浄も選べます。
詳しくは完全分解洗浄をご覧ください。
一方で、汗、たばこのヤニ、油、芳香剤、ペットなどの重い汚れや臭いは、エアコン内部のプラスチックや綿に染み込むと、洗浄では落としきれない場合があります。アルミや鉄の部分が腐食している場合も同じです。当店は臭いを理由にした再施工をお受けしていません。仕上げの消臭抗菌剤にはカビの再発を抑える働きが期待できるものの、どこまで効くかは使用環境で変わります。
詳しくは防カビ・抗菌仕上げをご覧ください。
